子育ての悩みについて後編

子育ての悩みについて 後編

後編では子育て支援者会場にいった体験談と、地域子育て支援拠点の専任スタッフ「横浜子育てパートナー」さんへのインタビューをご紹介します。

子育て支援者会場に行った感想

2023年現在、港北区に12カ所ある「子育て支援者会場」。地区センターや地域ケアプラザなど、地域の施設で、子どもを遊ばせながら、地域の身近な相談役の子育て支援者さんが相談に応じてくれます。
親子の居場所が近くにないな、という方も、子育て支援者会場ならお散歩がてら気軽に立ち寄れる距離にあるかもしれませんね。

行ってきました!(1)編集メンバーN・1歳児のママ

しんよこはま地域活動ホーム内にあるおもちゃ文庫に行ってきました。
こちらは毎週水曜日、子育て支援者会場になっています。地域活動ホームの建物内の一室なので少し分かりづらいですが、入ってみると天井まである棚にたくさんのおもちゃが並べられていました。さすが、”おもちゃ”文庫!


室内はそこまで広くないですが、子どもがのびのびと動いて遊べる広さは十分にあります。目が届く範囲なので、親は座ったまま子どもが遊んでいる姿を見守ることができます。最初は私にしがみついていた息子も子育て支援者さんが優しく声をかけて下さったおかげで、段々と慣れてきたのか目を輝かせながらおもちゃで遊んでいました。
おもちゃは手作りから既製品までさまざまです。息子が特に気に入ったのは、手作りのフェルトで出来た可愛い絵本。フェルトの乗り物にマジックテープが付いており、本にペタペタと付けられます。手作りのおもちゃは一つ一つ丁寧に作られており、すべてとっても魅力的です。


子どもを遊ばせながら、最近悩んでいることを子育て支援者さんに相談してみました。結果、悩みが軽くなり、話してみて本当に良かったです!
子育てや子どもについての悩みは、どこに話していいのか、周りの子と比べてしまったり・・・「相談」となると少し勇気がいると思うのですが、ここだと雑談しながら話せる雰囲気を作ってくれるので、些細な事でもすんなり話すことが出来ました。ただ聞くだけでなくアドバイスももらえて心が軽くなりました。
子育て支援者会場は週一回ですが、おもちゃ文庫は他の曜日も開館しているので、たくさんのおもちゃで遊べる貴重な場所にまた足を運んでみようと思います。

会場情報: しんよこはま地域活動ホーム(港北区大豆戸町518-6)

行ってきました!(2)編集メンバーH・1歳児のママ

菊名地区センターの子育て支援者会場へ、子育ての悩みを相談しに行ってきました。

菊名地区センターのプレイルームは3階にあり、図書館と同じ建物なので子どもが騒いでしまったらと思うとなかなか行く機会がなかったのですが、建物の外にエレベーターの入り口があり周りを気にすることなく会場へ行くことができました。

子育て支援者会場の日は中会議室が開放されていて、そこで子どもを遊ばせながら他のママさんや子育て支援者さんとお話しができます。

中会議室はそこまで広くはなく支援者さんも気さくに笑顔で迎えてくれ、入りやすい雰囲気でした。私が相談したことに対しても「それは辛かったね」と親身に話を聞いてくださり気持ちが楽になりました。世間話をする感覚でお話しができるので、気合いをいれて行かなくていいんだなと安心することができ、気軽に行ける場所があるということの大切さを改めて実感しました。

プレイルームは、地区センターの開館日は毎日開放されているので、子育て支援者会場ではない日も遊びに行けて、おもちゃや滑り台もあるので子どもはとても楽しんでいました。相談がある方はもちろん、相談が無くても気軽に足を運んでみてください。

会場情報: 菊名地区センター(港北区菊名6-18-10)

「横浜子育てパートナー」さんにお話をお聞きしました

横浜市の地域子育て支援拠点には、子育て中の方・妊娠中の方に地域の子育て支援事業や支援機関を紹介してくれる専任スタッフの「横浜子育てパートナー」がいます。
「どんなことを相談できる?」「子どもと一緒でも大丈夫?」などみんなの疑問を聞いてみました!

お話をお聞きした方
横浜子育てパートナー 渡井さん

(港北区地域子育て支援拠点どろっぷサテライト)

質問:どんなことを相談できますか?どんなお悩みが多いと感じますか?


相談に来る方がよく言われるのは「誰に話したらいいのかわからない、でも誰かに話したい」ということです。「ちょっとモヤモヤするんです」と言いながら話をしていくうちに、なんとなく自分が困っていることに気づけたりします。話を聞いて、アドバイスというより「大変だよね」と共感したり大変さを共有したり、そういう時間になるとよいと思っています。

電話で相談をしてきてくださる方は悩みがはっきりしている場合が多いです(赤ちゃんがミルクを飲まない、あまり寝ないなど)。でも話していくにつれて、相談者さん自身が「自分がすごく疲れている、イライラしている」ことに気づいて、それが悩みの「裏側」だったんだ、とわかることがあります。そんなときは休息をとるよう提案しますが、用事がないのに休むことを後ろめたく思ってしまう人もいるので、「頑張り過ぎだから休んでいいんだよ」と伝えて、ひととき預かりの利用や、ひろばに来て「ひろばサポーター」が子どもと遊んでいる間に少し休んでもらうことなどを提案します。

質問:誰からの相談が多いですか?

相談者の多くは母親ですが、父親から相談が来ることもあります(電話も対面も)。「妻の様子が心配」「子どもが全然夜寝なくて共倒れしそう」などの相談がこれまでにありました。育休を取る人が増えてきたからでしょうか、父親がキーパーソンというか、関わりの始まりになることもあります。

質問:どんな環境で相談できますか?

どろっぷ・どろっぷサテライトのひろばを使うことが多いです。子どもと遊んでいるときに相談者さんがふっと悩みを漏らすことが多いので、そのままひろばで話すことが多くなります。他のスタッフがお話を受けて、子育てパートナーが話を引き継ぐこともあります。場所を変えたほうが良さそうであれば、2階の個室で話すこともできます

どろっぷ2階の和室。臨床心理士さんの個別相談はこちらの部屋を使用するそう。

電話での相談は、言いたくなければ匿名でももちろんOKです。「普段はひろばに来ているけど今日は電話(匿名)にしたんです」という方もいました。

もしも「予約制」だと相談がちょっと先になってしまいますが、子どもの成長に関する悩みは少し経つともう乗り越えてしまっていたり、なんとなく落ち着いていたりということもありますよね。困っているときはすぐ話したい、今話したい、話を聞きたいという気持ちなので、予約なしで話せる機会を大切にしています。

質問:他の機関(サポート先)や居場所へつなぐことはありますか?


子育て支援者会場、赤ちゃん会、親と子のつどいのひろばなどお住まいの近くの親子で過ごせる場所を紹介することもあります。
そのような場所は、子どもたちと我が子のように接して下さる方ばかりなので「いっぱいかわいがってもらっておいで」という気持ちで紹介しています。一人で行くのが大変という人は待ち合わせて一緒に行くこともあります。つどいのひろば等からどろっぷや横浜子育てパートナーにつないでもらうこともあります。

食事に関する悩み(食べない、離乳食が進まない、ミルクを飲まない、咀嚼できていない、排泄の回数や様子など)、歯の生え方(内側に向いてしまっている気がする、など)についての相談もあります。
そんなときは区役所の乳幼児歯科相談や栄養相談をお勧めすることもありますが、ひろばの先輩家庭の体験談を聞いたりしてつながりに支えてもらうことも多いです。

ひろばに集う、子ども達や、親同士の力はすごいなと感じるので、自宅から近くのひろばや子育て支援者会場等、家族以外の方との交流を勧めることもあります。実際に足を運んでくださった方からは、家族以外の人との触れ合いのなかで、お子さんの成長や親以外の人に見せる姿が知れたといった声もありました。
また普段のひろばでは、圧倒されてしまう・走り回ってしまい落ち着いて遊べないといった時には、「のびのび月曜日(どろっぷ・どろっぷサテライト)」などをご案内して、先輩家庭と話せるようにしています。

どろっぷで行なっている臨床心理士による個別相談を提案する場合もあります。不安が大きすぎて色々と見失いそうに感じている方もいますが、少しでも不安が軽くなるよう、一緒に取り組んでいけたらと思っています。

質問:相談時に大事にしていることを教えてください(想いや考えなど)

人、場所につなぐこと、特にひろばの先輩家庭につなぐことを大切にしています。同じような悩みがあった人に「こういうときどうしてた?」と聞きます。ひろばで解決できると親の強みになっていくんですよね。経験、対応方法や工夫を教えてもらってみんなで乗り越える、育ち合っていく感じにしていけたらいいなと思っています。ひろば全体で悩みを解決していけるように、スタッフと相談しながら「この話だったらこのお母さんに聞こう」と共有することもあります。教えてもらった人が、次は教える側にまわる循環が作っていけるといいなと思います。

両親教室での妊娠期からのつながりも大切にしています。それまで社会に出ていた人が、急に産休や育休などでぽつんと家庭に入って子育てを始めるのはとても不安なことだと思うので、そういうときのために横浜子育てパートナーがいることを伝えています。両親教室でコンタクトを取っていた人が、相談に来てくれたこともありました。妊娠期から頼ってほしいと思っています。

子どもがそれぞれ違うように、解決方法も違っていいですし、そもそも別に解決する必要がないこともあります。「大変だけど、どんな子でもかわいい」という気持ちを持って子育てできるように、心の重荷をおろすお手伝いができればと思っています。だから、“相談”みたいにかたいものではないので、身構えず「遊びに行ったら話を聞いてくれる人がいる!」という感じで来てほしいです。親子が楽しんでいろんな場に行けるといいですね。

インタビューを終えて

お話をしていて、渡井さんの優しさをすごく感じました。息子の1歳児健診で体重がなかなか増えていないと言われたばかりだったので、自分の悩みも聞いて頂いたのですが、とても話しやすかったです。
子育て中の親たちにとって、悩みを聞いてもらえることはすごく重要なことなんだと改めて感じました。子どもの姿をみて「かわいい」とたくさん言ってくださったのも嬉しかったです。
「横浜子育てパートナー」のことを知らない方も多いそうですが、今回の特集を通じて、話を聞いてくれる人がいる、他の場所につないでくれる人がいるということを多くの人に知ってもらえたら嬉しいです。(編集メンバーT)

横浜子育てパートナー

専用電話番号
 どろっぷ :045-547-1180
 どろっぷサテライト :045-547-1182
火~土曜 9:30~16:00(年末年始・祝日除く)
※メールでのお問い合わせ・相談予約もできます。

 くわしくは 港北区地域子育て支援拠点どろっぷHPへ

おわりに

今回の特集を通して改めて感じたのは〝子育てに悩みはつきもの〟ということです。

子育て中はふと孤独を感じたり、不安になったりすることがありますが、嬉しい、楽しい出来事も沢山あります。しかし、悩みすぎるとそんな素敵な瞬間も見逃してしまうかもしれません。
もし、今も「誰かに話を聞いてもらいたいな。」と思うことがあったら、今回の記事でご紹介した寄り添ってくれる人・場所を思い出してみてください。

皆さんの悩みが少しでも軽くなり、子育てがより楽しくなる糸口になったら嬉しいです。

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