特集_男の子らしさ・女の子らしさって何だろう

男の子らしさ・女の子らしさって何だろう?

《2022年度特集》ココマップ編集メンバーが子育て中に感じる「男の子らしさ・女の子らしさ」についてのエピソードを集めてみました。

男の子らしさ・女の子らしさについて考えてみました

子ども服やおもちゃ、好きな遊びなどの話をすると「男の子だから○○だね」「女の子って○○が好きだね」という話題になることがありますが、これってほんとにそうなのかな?もし「らしくない」子がいたら、おかしい?
そんなギモンから、今回ココマップ編集メンバーが子育て中に感じる「男の子らしさ・女の子らしさ」についての様々なエピソードを集めてみました。

「男の子らしさ・女の子らしさ」気になるのはどんなとき?

好きな遊びやおもちゃ

  • 長男が年長の時のこと。延長保育で遊んだシルバニアファミリーの人形が気に入り、お誕生日プレゼントにほしいと言ったことがあった。延長保育の先生に相談したところ、下の子が生まれる時期が近いこともあり「赤ちゃんとも遊べて良いですね~」と言われ、私の中でシルバニアは女の子向けという印象があったけれど、おままごとも好きだし遊べそうだなと思い直した。その後息子は、線路のおもちゃとシルバニアの人形を混ぜ合わせて街を作って遊んでいた。
  • 娘はプラレールが好きでよく遊んでいる。男の子のおもちゃ、と思われることが多いけれど、自分も祖父母もとくに抵抗なく遊ばせている。
  • 息子が年少のとき、幼稚園にあったプリンセスごっこ用のドレスを着たがったが、他の保護者の方に「それは女の子用だよ、男の子用はこっちだよ」と別のものを勧められて泣いてしまったことがある。

服や持ち物の「色」

  • 幼稚園に通う娘が「〇〇くんは女の子の色の服を着ていた」と言ったときに、いつのまにそういう観念を持つようになったんだろう?と驚いた。
  • 息子の幼稚園の制帽が男の子は紺色・女の子はえんじ色、と決められている。男女の色が決められていることになんだかモヤっとする。
  • 男の子は青、女の子はピンク、どちらでも使えるように黄色、など出産祝いでもらう服は、性別を意識した色が多いなと感じる。
  • 赤いラインが入った新生児用の服を買おうとしたら、義母に「男の子は男の子らしい色を着せないと弱くなる」と怒られた。結局気にせず購入したけれど、自分たちと親の世代でもギャップがあると感じた。
  • 息子に赤やピンクの服は着せることがあるが、そこにフリルやレースがついていたら、なんとなく着せるのは抵抗がある。
  • (ママ自身の経験として)小さい頃から男の子は黒や青、女の子は赤やピンクなどと分けられることが、自分の好みと逆だったのでとても嫌だった。今でも、例えば女性サイズのお箸は赤系ばかりで好きな色が選べず残念。

座談会 \みんなはどうだった?「ランドセルの色選び」/

編集メンバーから多く出た話題が、ランドセルの色選び。指定の学校もありますが、多くの場合は子どもに選ぶ機会が訪れます。楽しみである一方、親と子どもの意見が合わなかったときの悩みもあったそうです。

ーお子さんのランドセル選びはどうだった?

編集メンバーAさん(以下Aさん)ー
「息子は最初、赤のランドセルがいいと言っていました。おそらくテレビの〇〇レンジャーの影響で、主人公の赤色を選んだのだと思います。私は好きな色を選ばせてあげたかったけれど、パパが「このスポーツブランドの黒と青のランドセルが絶対にかっこいいよ!」と勧め、そちらに決まりました。今思えば、あのまま赤を選んでいたら友達にからかわれて嫌な思いをすることもあったかもしれないと思うので、結果的に良かったのかな。」

編集メンバーBさん(以下Bさん)ー
「娘のランドセルの色はキャメル。メインの色は本人の希望ですが、フチの色との組み合わせは親の意見でちょっと誘導しました(笑)。ランドセル専門店で購入したのですが、その店では赤が好きな男の子のためにスポーティーな赤色のランドセルを制作中と言っていましたよ。」

編集メンバーCさん(以下Cさん)ー
「私の娘ははじめから赤がいいと言っていたので赤を購入しました。アナと雪の女王の影響か、周りの女の子には水色が人気です。」

Bさんー「以前よりも、女の子が選べる色の幅は広がったように感じますね。」

Cさんー「男女の色の差はなくなってきているかもしれないけれど、エンブレムや星・ハートなどの刺繍で男の子っぽさ・女の子っぽさを出しているものが多いと思います。」

ー皆さん(親)が子どものころはどうだった?

Cさんー「男の子は黒、女の子は赤、とほぼ決まっていました。転校生の男の子がひとりだけ緑で目立っていました。」

Bさんー「Cさんと同じです。ひとりだけピンクの女の子がいて目立っていました。洋服なら男の子が赤でも気にならないのに、ランドセルは色の固定観念が強いのかもしれないですね。」

Aさんー「ランドセルを選ぶ5〜6歳くらいは、男の子らしさ・女の子らしさを意識する子もいれば気にしない子もいる年頃だと思います。自分がどう見られるかまでは考えられず、それまでに受けた身近な人やテレビなどの影響が強く出ているように思います。」

Aさんー「ランドセルではないけれど、子どもの頃、親のアドバイスを聞かずに「どうしてもこれがいい」とキャラクターのおもちゃがついた自転車を買ってもらい、小学3年生の頃には子どもっぽくて恥ずかしく感じて乗らなくなったことがありました。自分にも経験があるから、ランドセルのように高価で長く使うものは無難な色を選んでほしいと思うのかもしれません。」

体験談から、女の子より男の子のほうが色を選ぶときの選択肢が狭いのかなと感じました。昔はランドセルは男の子は黒、女の子は赤と決まっていたこともありそのイメージも根強いようです。
親としては、子どもの希望の色にしてあげたい気持ちと、周りの反応で先々子どもが嫌な思いをするんじゃないかという心配とで葛藤があるようですね。

話を聞くと、親自身、偏見を持っているつもりはなくても「見慣れないもの」に違和感を抱いたり驚いたりしてしまうんだなあと思いました。また、「ランドセルの色」の違いに留まらず、「男の子だから泣いちゃだめ」「女の子だから優しくないと」のように、外見だけでなく内面でも周りから求められるものがあるよね、という意見もありました。

子どもへの対応で迷ったときは

子どものありのままを尊重してあげたいけれど、このままでいいのかな?」「これってよくある悩みかな?」など、子育てで迷ったときは地域子育て支援拠点や地区センターなどで行なっている育児相談を利用してみるのがおすすめです。

横浜子育てパートナー

子育て期のいろいろな悩みごと、困りごとについて、地域子育て支援拠点の専任スタッフ「横浜子育てパートナー」が必要な情報を調べたり、適切な支援機関を紹介したりします。

子育て支援者会場

原則週1回、地域の身近な相談役「子育て支援者」が地区ごとの会場にいて、乳幼児期の子育ての悩みなどを気軽に相談できる場があります。

港北区育児支援センター園 港北保育園 育児相談

電話や来園での育児相談や園庭開放、絵本の貸し出し、ベビーステーション、交流保育、育児講座、食育講座、赤ちゃんサロン、誕生会などを実施しています。

◆性別についてもっと専門的な相談がしたいと思ったら、横浜市の個別専門相談もあります。
個別専門相談:「よこはまLGBT相談」

昔と今で変わってきたこと

「ジェンダー(社会的性差)平等」はSDGsの目標のひとつにもなっていて、世界的にも関心が高くなっています。私たちの身近なところでも「男の子だから・女の子だからこうあるべき」という昔からある観念が、だんだん変わってきていると感じることも。
そこで、編集メンバーに昔と今で変わったなあと感じることを聞いてみました。

◆男の子用・女の子用、という分け方をしなくなった

  • ガチャガチャでおもちゃの色が青とピンクで分かれているものがあり「男の子用・女の子用」ではなく色の違いだけが書いてあるのを見て、性別に関係なく好きな色が選べていいなと思った。
  • 小学校で女の子の体操着のブルマがズボンになった。(着替えは一年生から男女で分かれるようになった。)

◆男女の役割分担が変わってきた

  • 昔は父親は外で働いて母親は家事・育児という家庭が多かったけれど、最近は多様化してきている。共働きで家事・育児も協力し合う家庭が増えた。
  • 料理番組(YouTubeやInstagramなども含めて)で、男性が料理している姿をよく見かけるようになった。
  • 洗剤や家庭用品のCMで、男性タレントが出ているものが増えた。

◆男性はこうあるべき、も変わってきた

  • 夫が美容を意識し始め、顔にシミ消しクリームを塗ったり、髪が長くないのにトリートメントを使っている。「男性なのにそこまでするの!?」と違和感を抱いたが、見た目を整えたい・キレイにしたいという気持ちに性差はないんだなぁと考えるようになった。
  • 夫が脱毛サロンに通い始めた。
  • 男の子のスカートめくりや、好きな子への乱暴なからかいが減ったように思う。大人が「良くないこと」と注意するようになったからかも?これぐらいは許される、という感覚が昔と今で変わってきた。

おわりに

このほかにも編集メンバーからは、子どもが生まれるまでは気にしていなかった、という意見や、周りの影響が大きい気がするけれど外国ではどうだろう?などの疑問もあがりました。
小学生の子どもがいるママは、本人が好きで選んだ色を友だちに変だよと言われて落ち込んで帰ってきた、というエピソードもあり、そのときママが感じたことは「この子らしさを認めてほしいな」ということだったそうです。

昔と今で変わったところもあるけれど、まだまだだなあと感じることも。性別・性差にとらわれないあらゆる選択肢を増やしていって、「男の子らしさ・女の子らしさ」という観念を周りが押し付けることなく、子どもたちが自由に「自分らしさ」を選択できる世の中になっていくといいなと願っています。

ココマップは赤い羽根共同募金の配分金により作成されています。

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