行ってみよう♪ 高田町「芹田果樹園」取材レポート
川崎市境にある港北区高田町で400年以上にわたり農業をされている『芹田果樹園』さんへお話を伺ってきました。
「浜ぶどう」のおはなし
現在、浜ぶどうやホップの栽培をされている『芹田果樹園』さん。もともとは野菜を栽培していたそうです。
高田は昭和50年代、カリフラワーの産地だったそうですが、後継者不足と令作でだんだん野菜農家が少なくなってきたそうです。芹田さんは大学卒業後、家業の農家を継ぎ、芹田さんの代からぶどうの栽培を始めました。梨の栽培もしていたのですが、病気が出たため、横浜ブランドを守るため、7年前に梨をすべて処分しました。
1年間手間暇かけて大切に育てたぶどうは、収穫の時期には、その日に採れたぶどうを農園で直接買うことができます(2019年度分は終了)。気候に合ったぶどうを求めて15種類以上を試し、現在は「藤稔(ふじみのり)」「多摩ゆたか」「赤いピオーネ(=あかり)」という3種類のぶどうを栽培・販売されています。
2000年代に入ってからの気候の変化により、果物を作るのが難しくなったと感じているそうです。夏が暑すぎたり、台風の動きがおかしかったり、そういうことが果物作りに大きな影響を及ぼしているのだそうです。
この日は「藤稔」と、手作りぶどうジュースをごちそうになりました!



ジュースはぶどうを皮ごと煮込んで濾して作るそうです。濃い紫色がきれいで、とてもおいしいジュースでした。ちなみにこのジュース、房で販売するに至らなかったものを原料にしているので、ぶどうの出来が良い年にはお目にかかれないものだそう(出来の良いぶどうはすべて房で販売されるため)。
「毎年買ってくださるお客様のため、『浜ぶどう』のブランドを壊さないため、ぶどうの品質にとことんこだわっている」と語る芹田さん。
ぶどうは十分な日光と風通しを確保しなければ、皮の色が薄くなったり、糖度が低くなってしまうので、日照時間が短かった今年は、5000房実ったうちの200房を間引き(摘房)したそうです。毎年気候を見ながら、品質を保つのに適した処置を施すのは、とても大変な作業だと思いました。
芹田さんは、「辛いこともたくさんあるけれど、農業は創造的でとても楽しい。毎年ぶどうができるのを楽しみにしてくださっている方がたくさんいるので、本当においしいぶどうを食べてもらいたいと思ってつくっている。最近は近所の小さいお子さん連れの方が散歩がてらぶどうを買いに来てくれるのもうれしい。」とおっしゃっていました。
『浜ぶどう』って?
横浜で栽培されている大粒種を中心としたブドウの総称で、横浜ブランド農産物に認定されています。主な品種は「藤稔(ふじみのり)」「ピオーネ」などで、最近はシャインマスカットが増えてきています。
完熟の状態で収穫されたものが直売され、とても甘くて美味しいと大好評です。(横浜市HPより)
ホップのおはなし
「『ホップ』って、あのビールの・・・?」
そうです、ビールの原料となる「ホップ」を、なんと横浜・港北区で育てているのです♪芹田さんに案内されて向かったホップ畑には、緑のカーテンのような蔓に松ぼっくりのような形のもの(毬花)が鈴なりになっていました。


この毬花の中に含まれている黄色の粉「ルプリン」が、ビールに苦みと香りを与えます。ホップはハーブの一種だそうで、開いた毬花からはハーブらしい爽やかな香りがしました。
「いっぱい持って帰って食べてみてよ!」とホップを摘み取ってくれた芹田さん。「え、ホップって食べられるの?!」とざわつく取材メンバー一同。
なんでも、この粉をビールに入れて飲むと香りがより増して、とてもおいしくなるのだそうです!これはさっそくやってみなくては…、と芹田さんから渡されるホップをどんどん袋詰めしていく一同。毬花は天ぷらにして食べることもでき、こちらはふきのとうのような苦みのある大人の味です♪



芹田さんがホップ栽培をはじめたのは2019年のこと。
年々後継者が少なくなっている都市農業ですが、近所で農業を始めたお仲間が栽培したホップでつくったビールを飲んだ時に「自分も作りたい。自分の作ったホップでできたビールを飲みたい!」と思ったそうです。
芹田果樹園のホップは、株式会社 横浜ビールの『ヨコハマIPA』というビールの原料として使われています(限定販売)。「将来はビール工場見学とホップ摘み体験のツアーができたら楽しいかも」なんて野望も聞かせていただきました。そのときにはぜひ「大人の遠足」としてココマップでも紹介したいと思います!


【芹田果樹園】
所在地 : 横浜市港北区高田町2251
交 通 : 東急東横線・市営地下鉄グリーンライン日吉駅よりバス13分、「県営アパート」下車徒歩1分
または市営地下鉄グリーンライン高田駅から徒歩20分
買ってみよう♪ 港北直売所・地産地消サポート店情報
採れたての新鮮な野菜や果物、食べたことがありますか?採れたては本当にみずみずしくておいしいです。
「住宅地」のイメージが強いここ港北区ですが、豊かな緑に囲まれた畑があちこちに残っていて、農家の方々は「横浜ブランド」に誇りを持ち、おいしい野菜や果物を生産しています。
そんな野菜や果物たち、どこに行けば買えるのでしょうか?
「港北区直売所マップ」があるのをご存知ですか?区役所などで配架しています。(配架場所:区役所1階総合案内、4階42番窓口 区政推進課企画調整係ほか)
また、区のHPからダウンロードすることもできますよ!
横浜市 地産地消の推進
港北区直売所マップ+よこはま地産地消サポート店 ※PDFへのリンク

こちらのマップでは、季節限定出店や、農家さんご自宅の庭先販売、定期的に開催される直売所、さらには港北野菜を使ったレストラン情報まで、地元の農産物を「買ったり・食べたり・楽しめる場所」が紹介されています。手のひらサイズで持ち運びしやすいので、これを持って直売所やレストラン巡りをしてみるのもおすすめです!
そのほか、JA横浜のHPで、直売所だけではなく、横浜野菜の紹介や横浜産農畜産物を使用したオリジナルレシピ集、イベントなどが紹介されていますのでぜひご覧ください。
JA横浜では、「保育付き、子育て教室」も開催しています。
直売所以外でも、最近では「地元の野菜」コーナーを設けているスーパーもあります。気軽に横浜の農産物を手に入れることができる場所がいろいろありますので、ぜひチェックしてみてください。
実際に行ってみました!
ココマップ編集メンバーが訪れた自宅近くの直売所は、販売開始前から大勢の買い物客であふれかえり、大変な賑わいでした。
旬の定番野菜はもちろん、「そうめんかぼちゃ」や「食べられる四つ葉のクローバー」など 珍しい野菜もたくさん並んでいて、どれも良心的なお値段でした。実際に野菜を育てた農家さんとのやりとりも、楽しいひとときになりました。
さっきまで畑にいたとれたての野菜たちは、見た目ツヤツヤで味が濃く、そのおいしさは格別です♪ 親子で楽しくお買い物した野菜なら、野菜嫌いのお子さんも、ひょっとしたら食べてくれるかも?しれません。
作ってみよう♪ こどもといっしょにメイド・イン・こうほく
自分たちで栽培・収穫した野菜や果物を美味しくいただくのが「究極の地産地消」!
子どもと一緒に手軽にはじめられる「メイド・イン・こうほく」をご紹介します♪
地域子育て支援拠点で野菜を育てよう!
港北区地域子育て支援拠点「どろっぷ」では、お庭の一角でじゃがいも、大根、きゅうり、トマト、絹さやなどの野菜を育てています。
ひろばへ遊びにきた親子は、だれでも気軽に種植え・収穫などの畑仕事に参加することができます。
♪種まきのようす♪


♪いんげんの収穫・じゃがいも掘り♪


♪収穫した野菜をカット・盛り付け♪


菜園での活動の様子はどろっぷのスタッフブログをチェックしてみてください♪