コロナ禍での出産という特別な経験をした編集メンバーがいるので、出産前後のエピソードも聞いてみました。2名とも第2子の出産です。
Tさんの出産体験談
Tさん (港北区在住)
鶴見区にある個人病院にて第2子を2020年11月に出産
長男と夫との4人家族
実家は県外で、里帰り出産はしませんでした
1.コロナ禍で妊婦生活!~上の子の預け先が・・~
コロナ禍に入った2020年3月から妊婦健診がスタートし、途中から付き添いNGとなり長男の預け先に困りました。
その後の健診時は、夫が在宅ワークになったので長男を見ていましたが、夏からは仕事の関係で夫は出勤となり、仕事が休めない時は実姉(近所に住んでいたが持病があるため躊躇いはありました)やママ友に助けてもらいました。
室内で預けたり預かったりは少し抵抗があったので、1時間半ほどマンションの中庭で一緒に遊んでもらいました。息子も久しぶりに同年代の子と会えて嬉しかったようです。近所のママ友は心強いと思いました。
コロナ禍でも妊婦健診の回数、検査の省略はありませんでした。
夫は第1子の時は健診に付き添ってくれていたので、エコーを見たかったと残念がっていました。夫婦でエコーを見てドキドキする感覚がなく妻からの伝言を聞く形で実感が湧かなかったそうです。妻のお腹が大きくなり触って胎動を感じられるようになってから、生命が宿っているのだと実感したそうです。
夫が在宅ワークの際は、長男が騒いで仕事の邪魔をしてはいけないと外に出かけるようにしていました。
公園は遊具での接触が気になり、河川敷を散策することが多かったです。今思えば少しくらい息子が騒いでも問題ではなかったかなと思うのですが、お互いに神経質になっていたのですね。
在宅ワークの合間に通院の送迎や買い出しを積極的に引き受けてくれて嬉しかったです。
2.コロナ禍での出産!~マスクが外せない!?~
陣痛が進み、夜中に夫婦で病院に向かい、夫とは病院入口でお別れしました。順調に朝方に無事出産できました。予定日前に母に実家から来てもらい、長男のお世話をお願いしていました。
陣痛中~出産時もマスクをしていました。助産師さんから「マスクは苦しいから外していいよ」と優しく言ってもらえたけれど、自分がコロナの感染者だったらという恐怖があり、その時はマスクを外す事が出来ませんでした。
病院で初めてマスクを外したのは、分娩台で赤ちゃんを抱っこして写真を撮ってもらう為に顎まで下げた時でした。
3.コロナ禍での入院~退院
入院は大部屋で1日、残りは個室で過ごしました。病院スタッフの方と接する時は院内は原則マスクをつける決まりでした。
コロナ禍以前は産後の入院中に母乳教室、調乳教室、沐浴教室、産後の過ごし方教室があったようですが、スライドショーを各自タブレットで観るだけだったので、初産の方は不安になるのではないかなと思いました。
私は帰宅後、夫と二人で思い出しながら沐浴やミルクをあげたりしました。
入院中は面会不可だったので、赤ちゃんと2人でゆっくり過ごすことが出来ました。
長男とはビデオ通話で毎日話していたのですが、寂しがり、夫と実母は大変だったそうです。
私は三食とも病院の充実した食事と3時のデザートを楽しみ、差し入れも自由だったので飲み物やおやつを夫に持って来てもらい、料理も洗濯も掃除もしない4日間を存分に楽しむことにしました(もちろん痛みはあるが・・)。
産後は実母が食事の支度や掃除を手伝ってくれた為、赤ちゃんと接する時間を増やす事が出来て助かりました。
夫婦2人では食事、掃除も行き届かなかったと思います。
Yさんの出産体験談
Yさん (港北区在住)
2020年8月、総合病院へ向かう途中の救急車内で第2子を緊急出産
長女と夫との4人家族
実家は横浜市内で里帰り出産ではありませんでした
1.コロナ禍で妊婦生活!~健診も検査も縮小!?~
コロナの関係で「極力検査も健診も少なく」というような雰囲気がありました。第一子の時は妊婦健診がスタートしてから出産まで10回の健診がありましたが、今回は6回でした。
1人目妊娠時、10週目から妊娠糖尿病を発症していて、血糖値測定と隔週で食事の栄養管理指導を受けていました。
今回も健診時に毎回提出する尿検査で尿糖が高い状態が続いていたので1人目の時同様早い段階で検査をして欲しかったのですが、こちらから聞いてみても「様子を見ましょう」と言われ続けて結局34週までそのままでした。
コロナ禍で基本的に大きな問題がない妊婦は健診が少ないため、自宅で血圧を測定し、安定していれば次回の予約までそのまま経過観察、規定数値を超えている状態が続く場合は病院に連絡をして対応を仰ぐ、というような形だったので自分で血圧計を購入し、毎日記録しなければならなかったのが大変でした(費用は自己負担)。
34週で行った検査の結果から、やはり1人目妊娠中と同様の診断結果が出たので、もう少し早く知りたかったと思うと同時に赤ちゃんへの影響は大丈夫なのか不安になりました。
私が通院していた病院の産科は元々コロナに関係なく待合室に妊婦しか入れない決まりでした。アルコール消毒だけでなく、待合室の座席も1つ置き、待っている向きも同じ方向だったため、ソーシャルディスタンスは取れていたと思います。病院の入口では係の方が1人ずつ検温していたので、しっかり管理されていて安心できました。
2.コロナ禍での出産~まさかの救急車出動~
36週3日での出産で出産場所は救急車の中でした。
当日の朝5時くらいに何となく違和感を覚え、7時過ぎまで陣痛かはっきりわからなかったのですが、そこからの痛みの加速度が早く陣痛タクシーでは間に合わないと判断、救急車を呼んでもらいました。
かかりつけの病院が必ずしも受け入れてくれるわけではなかったようで、確認作業がしばらくありました。
(※出産の経緯は様々ですので、今後出産を控えている方は普段の状態と違うと感じた時には、早めに産院に電話して下さいね!)
来て下さった隊員さんは出産に対応できる方で、とても的確でスムーズな対応をしてくれて助かりました。
病院到着後、処置室に搬送され、へその緒を切ったり胎盤を出したり縫合等の処置がありました。ただ、携帯電話を持たずに1人で救急搬送されたため、出産後の処置が終わった後も自分から連絡を取る事ができず、荷物や入院準備のやりとりに困ってしまいました。
病院はコロナの影響で原則面会NGだったのですが、医師の判断で処置室で縫合が終わった後すぐに夫との面会ができました。当日の朝は別の科の診察の予約があり、母に上の子の面倒を見てもらう予定になっていたので、連絡がつきやすく、すぐに駆けつけてくれて助かりました。
3.コロナ禍での入院~退院
入院日数・・・出産日を0日として5日間(2020/8/12入院8/17退院)
入院日数に関してコロナは関係なかったです。
差し入れはできたのですが、まずは守衛室に預けられ1日に1回まとめて荷物が渡されるので、手元に届く時間がよめず、結局は院内のコンビニで自分で一通り購入しました。
赤ちゃんがNICUに入ってしまったため、赤ちゃんとの面会が週3回、各1時間でした。母子同室の時間がなく産まれてすぐに保育器へ入ってしまったため、入院中は抱っこやおむつ替え、寝顔を見る事ができませんでした。
初日は大部屋(産科ではなく一般病棟)で、翌日から個室に移動できました。
大部屋で電話をする時は談話室へ移動しなければなりませんでした。面会が出来ない分、上の子とのビデオ通話は好きな時に繋がるようにしてあげたかったので、大部屋はつらかったです。
反面、面会不可だから仕方ない!と割り切れば、自分の寝たい時に寝られ、休みたい時に休めた事はとても良かったと思います。
後にも先にも、このようにのんびり過ごせることはないと考え方を変えたら、赤ちゃんと一緒でなくても家族と離れていても落ち込むことなく過ごす事が出来ました。
わざわい転じて?「コロナ禍だからこそできたこと!」
ほかにもこの時期に赤ちゃんを迎えた家族の「コロナ禍だからこそ」なエピソードを紹介します。
- 『実母の応援がなくなったので夫婦で乗り切るために夫が育休を取得することになった。コロナ禍じゃなければ育休を取ることはなかったと思うので良い経験になりました。』
- 『夫が育児休暇を1か月間取得していたので、上の子の相手や家事をしてくれました。子どもが家でおとなしく過ごす事は難しかったので、お散歩やドライブに連れて行ってくれて助かりました。』
- 『コロナの影響でネットスーパーが充実していたので、買い物はほとんどネットスーパーに頼っていました。コロナ禍なのでネットスーパーの利用を決めましたが、今後も活用していこうと思います。』
- 『出産祝い、内祝いがすべてネット注文や郵送で済んで楽でした。産後間もない時期の来客は心身ともに疲れるので・・。』
出産体験を聞いて
他にも、出産してすぐに緊急事態宣言が発令されて、里帰り出産では事前の滞在規定が設けられたため、パパが赤ちゃんに中々会えなかった方や、里帰り出産予定だったが健診で通っている病院から長距離移動を懸念されて、自宅近くで出産するように勧められて急遽里帰り出産を断念せざるを得なかった方もいました。
特に第2子以降の出産の方は上の子の対応に影響があったようです。妊娠中は、病院の付き添い・面会の制限だけでなく、保育園の一時保育が中止になった時期があったり、産後は遊び場に連れていきたくても子ども同士の接触が気になったり上の子がマスクを付けたがらないために足を運べなかったという声もよく聞きました。そんな時に親類や近所のお友達に助けられたようです。
コロナ禍の初期と比べて一時保育が再開している園も増えていたり、環境も改善されてきています。
また、横浜子育てサポートシステムや産前産後ヘルパー派遣事業などもあります。詳細はHPをご覧ください。
上の子を預かってもらえる人や場所を事前に探しているといざというときに助かるのではないかなと思いました。