わたしたちが気になっていることVol2

わたしたちが気になっていること Vol.2 『性教育について』(前編)

前回に続いて、日ごろから「なんとなーく気になっている、けれど、周りにはちょっと聞きにくいな」と思っていることを取り上げる特集。
今回のテーマは 『性教育について』 です。

「性教育」と聞くと、いつ頃から、どのように伝えていけば良いのだろう、と身構えてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

他の家庭の様子を聞く機会が少ない話題なので、今回の特集ではココマップ編集メンバーの子どもの頃の経験談や、親の立場では「性」についてどのように子どもに伝えているのか、話を聞いてみました。

話を聞いてみると、子どもの頃は両親と性について話す機会が少なく、話題に出してはいけないことかと思い、特に初潮の時に困ったという経験談が多くあがりました。

最近では先入観なく身体の仕組みについての正しい知識を学べるだけでなく、「自分の身体を守る」「周りの人を大切にすることも伝えられる」ので、興味を持ち始める低年齢の頃から気構えせずに親子の会話に取り入れている家庭も多く、小学校でも低学年から性教育が授業に取り入れられているようです。

『 どんなことから伝えたら、良いのだろう? 』

性教育を始めようと意識すると、「身体について具体的な説明をしなければいけない」と考えるかもしれませんが、本やテレビの子育て番組などで専門家の言葉を見聞きした編集メンバーは、こんなことから生活に取り入れたそうです。

編集メンバーが参考にした おすすめの本 (性教育編)

(1)「あなたの身体はあなたのもので、全部大切だよ」と伝える

文部科学省の「生命の安全教育」では以下のように記載されています。(文部科学省「生命の安全教育」より引用)

  • 自分の体は自分だけのものであり、大切にすること。
  • 自分だけの大切なところ(「水着で隠れる部分」等)は、見せたり、触らせたりしてはいけないことを意識すること。※水着で隠れる部分は、「プライベートゾーン」、「プライベートパーツ」といわれることもある。
  • 自分の体を見られたり、触られたりして嫌な気持ちになったときの対応方法を身に付けられること。
  • 自分の体と同様に、相手の体も大切にすること。
  • 相手の大切なところを、見たり、触ったりしてはいけないことを意識すること。

これは文部科学省と内閣府が連携して作成した、「生命(いのち)の安全教育」のための指導手引きです。

性教育の本などでもこのような考え方を読み、子どもにプライベートゾーンを守ることの大切さを知ってもらうために3歳頃からお風呂では自分で身体を洗おうねと伝えている編集メンバーもいました。

(2)嫌なことをされたときに『嫌だ』と言えるように教えてあげる

子どもは自分の「やめて」をきちんと受け止めてもらうことで、相手の「やめて」も大事にできるようになるそうです。
『親子のくすぐり遊びであっても子どもが「やめて」と言ったらすぐやめるなどの積み重ねが大切。』と聞いて、「自分たち(パパ・ママ)も子どもの『やめて』を一度で聞いてあげる練習中です」と話してくれた編集メンバーもいました。

(1)(2)ができるようになるためには・・・

〇 子どもの 「自己肯定感」 を高めてあげる

子どもの自己肯定感を高めるには、<タッチング>と<リスニング>が重要だと言われています。

<タッチングとは>
・・・親子で手をつないだり、抱きしめたり、子どもとの愛情のあるふれあいを増やすこと。

<リスニングとは>
・・・子どもの顔を見て、言葉を遮らずに話を聞き、気持ちを受け止めること。

小さい頃から愛情あるふれあいや話を聞いてもらうことで、子どもは自分の存在を確認でき、生きている価値があると感じ、自己肯定感が育つそうです。

きょうだいがいて一人ずつにあまり時間が取れない場合は、
他のきょうだいが見ていないところで抱きしめたり話を聞いてあげると、特別扱いをされたと感じ、短い時間でも心が満たされるとも言われています。
このことを知ったある編集メンバーは、折にふれて「(ママやパパにとって)あなたは大切だよ」と伝えているそうです。

みんなの体験談

『 身体を守るってどういうこと? ( 自分の身体、お友だちの身体 ) 』

子どものプライベートゾーンに関して、ココマップ編集メンバーが日ごろから「気になっていること」「困っていること」など、様々なエピソードをまとめました。

周りの大人の目が気になります

  • スカートの下にレギンスなどを履かずに遊んでいる女の子を見ると心配になる。保護者に伝えたいが考え方は人それぞれなので言いづらい。
  • 息子(5歳)を男子トイレに1人で行かせるのが心配。周りの大人にも聞こえるようにあえて入り口から声をかけたり、多目的トイレでさせている。

自分の性器をさわったり、遊びにしてしまうことに悩んでいます

  • 息子(8歳)はよく性器に膿がたまり包皮炎になっていたので、お風呂では丁寧に洗い、その他の場面ではなるべく触らないように伝えていた。
  • その時に、「汚いから触らない」ではなく、「大切な部分で、ばい菌が入るといけないから触らない」と伝えるように意識していた。
  • 息子が3歳頃に育児書の写真と自分の性器を見比べていた時には気の済むまで放っておいた。
  • 息子は年長の頃、お友だちとふざけて性器をみせあいっこすることがあった。見ていていやな気持ちになる人もいるのでみんなの前ではやめようねと伝えていたがなかなかやめられなかった。

きょうだい・親とのやり取り、こんなことがありました

  • 娘(4歳)がお風呂の時に息子(8歳)の性器にぶつかってしまい、痛みから息子がものすごく怒ったので「大事なところでぶつかると痛いから気を付けようね」と話した。
  • 息子(7歳・4歳)と娘(1歳)とお風呂に入る時に、娘が息子達の性器を触る時期があった。「いいよ、触っても」と言った事があったので、「外で変なおじさんに『触って』と言われた時に嫌な事だと思わずに触ってしまうかもしれないよ」と伝えたら、息子達が娘に「触っちゃだめだよ」と伝え、娘も触らなくなった。
  • 息子が年長の時にママの胸に興味をもった時期があり、その時に「もうママはおっぱい(母乳)が出ないから、触られると痛いし、嫌な気持ちになるからやめてね」と話した。

『 身体について、どう伝えている? 』

生理のこと

やんわりと伝えています

  • 生理の事は伝えたことも、経血を見せたこともない。月に一回体調が悪くなる事があると伝えている。(娘5歳)

ちょっと心配・・・?

  • 生理のしくみについて娘に説明したところ「(血が出るのがこわいので)自分はパパになりたい」と言っていた。(娘3歳)
  • 息子に「痛いの?自分もいつか出るの?」と聞かれ「痛くない、男の子は出ないよ」と伝えたら、自分には起きない事だと安心し、それ以降は興味なさそうで聞かれない。(息子5歳)

生活の一部に

  • 布ナプキンを使っているので、洗濯の時などに子どもたちも自然と目にしている。「ママは痛くはないよ、子どもを産むために必要だよ」と説明している。(娘8歳、娘6歳、息子3歳)
  • ママ友から「子どもに『ママはお風呂の時に赤いのが出るけど痛くないから心配しないでね』と伝えている」と聞き、最初から色々説明するよりも受け入れやすいのかなと思った。

こんな伝え方をしている人も

  • 息子が小学生になった頃に「なんで血が出るの?」と聞かれたので「おなかに赤ちゃんのベッドを作ったけど、赤ちゃんが来なかったのでベッドがいらなくなった」と説明したが、理解できなかったようで「よくわからない」と言われた。一回で理解するには難しく、何度か繰り返すうちに理解できるようになるのかなと思っている。(息子8歳、娘4歳)
  • 生理にマイナスの印象が付かないよう、「ママに生理があったから○○ちゃんに会えたんだよー」と伝えている。(娘3歳)

子どもができるしくみ

  • 3学年差で子どもが3人いて子どもが立ち会っての出産だったので、説明する機会も多く、3歳頃から「女の人のお腹の中にできる卵に、男の人の性器にできる種が入ると赤ちゃんとして育つ」と度々話していた。
  • カブトムシを飼っている時に、オスとメスを一緒に虫かごに入れていたら卵が産まれるところが見られた。その経験も性教育に繋がったように思う。

きょうだいが生まれる時にママが妊娠・出産する過程を見ている子は「どうしたら赤ちゃんができるの?」と、意識せずとも話題になる機会が多く、他の分野の「なんで~?」「どうしたら~?」から始まる質問と同じように会話の流れのまま説明しているようです。

また、同じように伝えてもすぐに受け入れる子、怖がってしまう子など反応はさまざまなので、子どもの様子を見ながら各家庭のペースで伝えられたらいいのかもしれませんね。

『自分が子どもの頃のエピソード』

  • (生理のことなど)学校の授業で初めて知った。先生から説明があったものの、どこか他人事で、自分の身にこれから起こることだという実感がなかった。
  • 母親から性教育についての漫画を渡されたが、説明はしてもらえなかったので、性の話は家庭でオープンにできない雰囲気だった。生理痛などの悩みも相談しづらかった。
  • 母親は生理を徹底して隠していたので、知らないまま初潮を迎えた。びっくりして病気なのではないかと数時間悩み、初潮を迎えたことをすぐには母親に伝えられなかった。
  • 子どもの頃に犬の妊娠・出産を描いた絵本を読み、人間も同じだと知ったことが印象に残っている。

わたしたち子育て世代が子どもの頃には、性教育について親子で詳しく話をしている家庭は少なく、学校でも高学年に一度だけ授業で説明がある程度だったと思います。
家庭でも学校でも何となく聞きづらい、タブーな話題だと感じていたため、正しい知識を学ぶ機会が少なくて困ったという編集メンバーが多くいました。

その記憶から、自分の子どもには同じ経験はさせたくないので、低年齢のうちから気楽に取り入れているという人もいました。

他にも、子どもが初潮や精通を迎えたときに困らないように、小さいうちから自分の下着を洗うことを習慣にするとよい、といった意見もありました。

編集メンバーが参考にした おすすめの本(赤ちゃん誕生まで編)

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